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本なんて誰でもつくれる。だから、めちゃくちゃおもしろい。「これからの本づくり」のテクニックが満載。『いつもよりも具体的な本づくりの話を。』9月24日刊行。

2022年9月22日 14時

株式会社イースト・プレス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:永田和泉)は、2022年9月24日(土)に『いつもよりも具体的な本づくりの話を。』(北尾修一・著)を発売いたします。本書では、著者がさまざまな人たちから教わった実践的な本づくりのノウハウをお伝えします。

■これからの生活、これからの編集

出版社・百万年書房の代表であり本人も現役の編集者の北尾修一さんが、

東京都台東区、田原町の書店Readin’Writin’BOOKSTORE で「いつもよりも具体的な本づくりの話を。」と題し、2020年7月から月1回、全9名の方々に著者が話を伺ったシリーズイベントにて、9名の編集者との対話から受けた刺激と、そこから思考したことや「これからの本づくり」のテクニックが、本書の端々に詰まっています。
編集職に就いている方だけでなく、出版に携わっている方や本が好きな方皆さんが「本書を読むとこれまでとは本の見方が変わる本」になっています。

 

■本書でお話を伺ったゲスト編集者の皆さん
大塚啓志郎さん『リュウジ式悪魔のレシピ』(リュウジ・著)担当
柿内芳文さん『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(山田真哉・著)担当
金井弓子さん『わけあって絶滅しました。』(丸山貴史・著、今泉忠明・監修)担当
草下シンヤさん『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(國友公司・著)担当
篠田里香さん 新しい出版社「生きのびるブックス」立ち上げ
篠原一朗さん『はじめての』(島本理生、辻村深月、宮部みゆき、森絵都・著)担当
谷綾子さん『一日がしあわせになる朝ごはん』(小田真規子・料理 大野正人・文)担当

 

■本書「はじめに」
みなさん、こんにちは。はじめまして。
百万年書房・北尾修一と申します。
この百万年書房という出版社をひとりで立ち上げて5年目。
ずーっと自宅が仕事場。
社員、今のところ0名。
これまで発行した本、約20冊。
一番売れた本で、実売1万部ちょい。

めちゃくちゃ儲かっているわけではありませんが、今のところはつくった本の売上だけで家族3人が暮らせています。
今後もあり余る富を手に入れることはないでしょうが、かわりに時間の余裕だけは手に入れたというか、ゆったりした毎日を送れています。自分があくせく働かなくても、これまでつくった本がずっと売れ続けてくれているので、毎月そこそこは収入があるからです。
上を見ればきりがないし、それなり、まあまあの暮らしぶりですが、他人がどう思うかはともかく、自分としては特に不満はありません。

平日の朝からゆっくりジョギングとかできるし。映画も観られるし。たまに外食にも行けるし。気分的には悠々自適、本づくりの技術を身につけておいて良かったな、と思っています。

で、この本ではみなさんに、そんな私がさまざまな人から教わった、実践的な本づくりのノウハウをお伝えしていきます。
と同時に、本のつくり方を覚えると人生楽しいぞ、コツさえ覚えればゼロからでもできるぞ、副業でもできるぞ、これからは出版ビジネスが狙い目だぞ、ということも伝えていきたいと思っています。
話を急ぎすぎたかもしれません。
今って普通は、出版業=斜陽産業だと思われています。だから、「こいつは何を能天気なこと言ってんだ」と思われた気がします。
実際のところ、人気漫画作品を抱える一部大手出版社を除いて、経営が厳しい出版社が
多いのは間違いありません。出版業界がどんどん縮小しているのは事実ですから。
書店調査会社アルメディアによれば、2020年5月1日時点での書店数は11024店。ただし、この中には店舗を持たない本部・営業所も含まれているので、それらを除くと9762店となります。2022年現在はさらに減少し、おそらく9000店以下になっているでしょう。2000年には書店数が20000店以上だったので、20年かけて半分以下になったことになります。で、私はあと20年かけてさらに半減、つまり4000店以下になる可能性もあると覚悟しています。もしもそうなったら、今の流通(取次)や製造元(出版社)がそのままで済むわけがなく、ぺんぺん草も生えない状況になるに決まっているわけで……。
ただ、私がこの本で話したいことは、そういう出版業界の大きな話ではなくて、もっと
小さな、あなたや私の生活にまつわる話です。
だって、考えてみてください。出版という産業が斜陽だということは周知の事実なので、出版社への就職を希望する人は減るだろうし、いま大手出版社で働いている編集者も、優
秀な人は本づくりの現場から離れて版権管理部門などに異動していくでしょうから……こ
れってむしろチャンスじゃないですか?
どんだけポジティブやねん、と思われたかもしれませんが。
でも、逆張り精神でいけば、今からYouTube やポッドキャストを始めるくらいなら、あえて時代の流れに逆らって本のつくり方を覚えたほうが、過当競争もないので楽しく暮らせるのではないか。本づくりに取り組みたい人にとっては、むしろ今こそ始めるチャンスではないか。これまでの出版業界のやり方に染まっていない分だけ、今の時点では既得権もブランド力も持たない人たちが、これからの出版では活躍するのではないか。

本気でそう思っています。
既存の出版社や取次が大変なのは、縮小する出版物の売上でその大きな図体(社員数や
オフィス)を維持することが難しくなっているからです。
ということは、今から始める者の強みを生かして、書店の数が4000店以下になっても適応できるように、その市場サイズに合わせて面白い本をつくるテクニックさえ身につければ完璧じゃないですか。完璧は言いすぎか。でも、今から本書で紹介するさまざまなやり方が、これからの本づくりのヒントになるのではないかと思っています。
ここまで読めば説明するまでもないかもしれませんが、この本には「こうすればヒット作、ミリオンセラーが出せる!」みたいな威勢の良いことは書かれていません。そんなノウハウ知りませんし。もっと志が低めの、誰でもマネできそうなことしか載っていない本です。
すでにベストセラー編集者の武勇伝は書店にたくさん並んでいますし、個人的には角川春樹さんの経歴をひととおり辿れば、そこにすべてのヒントがあると思います。
「とにかくベストセラーを目指したい」という人は角川春樹さんに学べばいい。春樹、異次元すぎる。そう思った人にそっと「いや、そういうやり方だけじゃない気もするんです。別にスーパーマンじゃなくても、定価1,500円から2,000円くらいの本を年に3、4冊つくって、それぞれ2000人くらいの読者が買ってくれれば、そこそこ暮らしていけますよ。まずは副業としていかがですか?」くらいのことを伝えるために、この本は生まれました。

 

以下、本文に入る前の補足情報です。
この本は東京都台東区、田原町の書店Readin’Writin’BOOKSTOREで「いつもよりも具体的な本づくりの話を。」と題し、2020年4月から月1回、全9名の方々に私が話を伺ったシリーズイベントがもとになっています。
9名のみなさんのプロフィールは、本書にまとめていますので、そちらをご覧ください。出版の世界に詳しい人なら驚くこと間違いなしの、豪華絢爛たるメンバーです。この錚々たる9名の編集者と対話し、みなさんの話から受けた刺激と、そこから思考したことが、本書の端々に詰まっています。
中にはイベント当日の発言をそのまま掲載させていただいた方もいます。発言の使用を快く許可してくださったみなさん、どうもありがとうございます。発言を載せられなかった方々、申し訳ないです。誰のどういった発言を、どの文脈で掲載したかの全責任は私にあります。
それに加えて本書では、私が20代の頃から先輩編集者や著者と仕事をする中で教わったこと、自分自身で試した工夫、やらかした失敗、その他「これは今後の本づくりに有効だぞ」と思えるノウハウだけを、あますところなく詰め込みました。

 

基本的に編集経験がない読者を想定し、ゼロから伝えるつもりで書いたので、まったくの初心者でも読み進めることができると思います。
読み終える頃には、本づくりは楽しそうだぞ、まずは自分も1冊つくってみようかな、と思ってもらえるといいのですが……。
 

 

■目次


 

 

■目次

●はじめに

 

●0 ストレッチ(準備運動)

雑誌編集者、本の編集者

web・映像・新聞と本の違い

そもそも本って何?

本づくりに必要な能力

人脈ゼロから始める本づくり

過去の本づくりは通用しない

 

●1 さて、どんな本をつくろうか

編集会議で企画が通らない

ベストセラーを目指さない

大衆中華料理屋の気分で

自分の本を出したい人へ

はじめにタイトルありき

 

●2 企画を立てる

企画と「企画っぽいもの」

置くだけで売れる本を目指す

創作出版 

「著者」から考える 

「内容」から考える

企画書を書く 

実例:『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の場合 

つくってはいけない本はあるのか

 

●3 著者と会う

著者に手紙を書く

オンラインか/オフラインか

人柄の印象と文章は似る

最初に決めること

出版契約書を交わす

著者と揉めたら……

 

●4 構成を決める

目次を考える 

つかみとオチ 

原稿が先か/デザインが先か 

本の巻き戻し研究 

実例:『一日がしあわせになる朝ごはん』の場合

ズボラーさん

 

●5 原稿の完成

締切と文字数

締切について

web連載のメリット/デメリット 

原稿が届いたら 

裏を取る 

取材先への原稿確認(あるいは著者が逮捕されたら)

 

●6 お金の計算

予算と売上 

損益分岐の試算

制作費の内訳 

この本の成功は何か? 

クラウドファンディング 

増刷できるかどうか 

原価の調整

 

●7 本をデザインする

ブックデザインは専門職 

デザイナーの「最大出力」 

実例:『一日がしあわせになる朝ごはん』の場合 

写真×イラストで世界をつくる

 

●8 ラストスパート

入稿と校正 

タイトル決定

帯について

電子書籍について 

水鈴社の考える「これからのやり方」

 

●9 つくった本を育てる

本の伝え方 

web記事を狙う 

書影とサムシング 

編集者と消火活動

実例1:売れ過ぎた自費出版本 

実例2:初めての訴状 

実例3:『ルポ西成』の場合

 

●10 ストレッチ(整理体操)

本づくりは矛盾する 

遊ぶように暮らす 

これからの編集、これからの生活

 

●おわりに

 

 

◆書誌情報
『いつもよりも具体的な本づくりの話を。』
著者:北尾修一
発売:2022年9月24日(土)※電子書籍同日配信予定
定価:2,200円(本体2,000円+税)
体裁:A5判
頁数:320頁
ISBN:9784-7816-2104-3
発行:株式会社イースト・プレス

 

【イースト・プレスオフィシャル 書誌詳細ページ】
https://www.eastpress.co.jp/goods/detail/9784781621043

 

 

◆著者プロフィール
北尾修一(きたお・しゅういち)
編集者・百万年書房代表。 1993年、株式会社太田出版に入社。 『クイック・ジャパン』編集長を23号から50号まで務め、2006年には文芸誌『hon-nin』を創刊。 2017年に独立し、出版社『百万年書房』を立ち上げる。何処に行っても犬に吠えられる。
Twitter:@kitaoshu1



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