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電子ごみ問題にアート購入で取りくむ ゲットイット、年間売上1%目標の「未来費」で長坂真護作品3点を購入・設置

2024年6月13日 12時

ゲットイットは、電子ごみ(E-waste)を再利用してアートを創作する美術家・長坂真護氏の絵画を購入し、各拠点に展示しました。作品の購入・展示を通じて長坂氏のガーナにおける社会活動の支援、業界内の電子ごみ問題の認知拡大を目指します。

ゲットイットは、電子ごみ(E-waste)を再利用して創作された長坂作品を都内3拠点に設置しました。当社はITハードウェアの持続可能な運用のための総合サービス「Sustainable Computing ®」をビジョンとして掲げています。事業におけるIT機器のリユース・リサイクルを柱にしつつ、過去に廃棄された電子ごみ問題の解決支援・認知拡大にも努めています。電子ごみを再利用した長坂氏の作品の購入と設置は、この取り組みの一環です。 

世界有数の電子ごみ産出国でありながら、リサイクル率は先進国中最低レベルの日本

 国際電気通信連合(ITU)の発表によると、2022年、世界全体で6,200万トンの電子ごみが廃棄されました。2010年比で82%増という増加量は今後も増え、2030年には8,200万トンになることが予測されています(※1)。 

 

電子ごみは都市鉱山と呼ばれ、適切にリサイクルすることでレアメタルや銅、金などの天然資源を回収することができます。しかしリサイクル率は現在、世界全体で4分の1(22.3%)未満であり、620億米ドル(日本円で7兆円弱)相当の回収可能な天然資源が行方不明となっています(※2)。 

また、電子ごみはCO2を排出します。その量は年間で9,800トンとされ、世界のエネルギー排出量の0.3%に相当します(※3)。また非公認の廃棄物処理部門で働く女性の数は1,290万人、子供の数は1,800万人とされています(※4)。電子ごみは水銀をはじめとした有毒物質を含んでおり、労働者の健康への悪影響が懸念されています。電子機器の所有数は高所得国で一人あたり平均109台、低所得国で7台とされています。高所得国が電子機器の便益を享受する一方、使い終わった後は、低所得国での環境不十分な労働環境下で、健康被害も起こしている実態があります。 

 

この状況の中で、日本は現在、中国、アメリカ、インドに次ぐ世界第4位の電子ごみ産出国となっています。日本のリサイクル率は23%で、ヨーロッパ全体の43%やオセアニア全体の41%、アメリカ全体の30%と比べて低い数値です(※5)。これはOECD加盟国を中心とした「先進国」31ヶ国(※6)の中で28番目の数字です。日本は電子ごみ産出量の多さとリサイクル率の低さから、電子ごみ問題を深刻化させる国の1つと言っても過言ではありません。

 経常利益の1%から、売上の1%へ 社会還元の拡大を目指す 

ゲットイットは電子ごみの一部であるIT機器に関わる事業者として、この問題に関心を持ち、投資を行ってきました。私たちは事業を通したIT機器のリユース・リサイクルの普及が機器の廃棄を減らし、電子ごみ問題の緩和に繋がると考えます。その一方で、過去に廃棄された機器が国外に流出する現状があり、また自社がリユースした機器に関しても、自分たちの目の届かないところで廃棄される可能性はゼロではありません。ゲットイットはそうした認識に基づき、IT機器が循環する未来に向けて事業を展開しつつ、「今、電子ごみが問題を起こしている現場」に「今、助けになることをする」という考えでCSR活動を行ってきました。 

 

2021年度には、「電子ごみ問題」「紛争鉱物問題」の課題解決を支援するための予算として「未来費」(※7)を新設。それまで、経常利益の1%を目安としてしていたCSR予算を「売上の1%」に段階的に引き上げています。23年度は前年度に比べ128%の予算確保を実現。長坂氏のアート作品購入もこの「未来費」を財源としています。 

多様な社会還元の一つとしてアート作品を購入 

このたび購入された長坂氏の作品、「Ghana's Flag prototype」「The Tribe Dancer」「Keyboard is keyword」は、電子ごみの中でも、私たちの事業に密接なパソコン関連の廃棄物が使われた作品を選びました。作品の素材は、ガーナのアグボグブロシーという町で廃棄された電子ごみです。アグボグブロシーは「世界の電子廃棄物の墓場」と呼ばれるスラム街で、東京ドーム約32個分ともいわれる面積に電子ごみが積み重ねられ、住民はそれらを拾い集めて生計を立てています。その多くが高所得国から非正規に輸出された電子ごみであり、それらは当地で火傷、目の損傷、肺や背中の異常、慢性的な吐き気、食欲不振、頭痛、呼吸器系の疾患といった健康被害を引き起こしています(※8)。 

長坂氏はアグボグブロシーで拾い集めた電子ごみを元に絵画作品を創作し、売上の多くを町に還元しています。その還元は、適正な処理方法を備えたリサイクル工場の建設と現地住民の雇用、農業事業やEV事業の支援、ガスマスクの配布、スラム街の子供たちが無償で通える学校の創立など多岐にわたっています。ゲットイットはこうした長坂氏の理念・活動に共鳴し、絵画購入や対談イベント(※9)開催を通して、電子ごみ問題への取り組み支援・認知拡大に努めてきました。

長坂氏と当社代表廣田(長坂氏のアトリエにて)

都内3拠点への作品展示は、特にITハードウェア業界への認知拡大を目指しています。ゲットイットでは平均して月に10~15回の「倉庫見学会」を行なっています。国内大手システムインテグレーターやIT機器メーカーの担当者が倉庫を見学する工程の中で、作品を見ていただくことで、電子ごみについての認識を深める機会を生み出すことが狙いです。長坂氏の作品を、マテリアル(リサイクルにより資源化予定のIT機器)実物と同一箇所に展示することは当社独自の試みとなります。 

 

「倉庫見学会」は通常、顧客等に限定して開催しておりますが、ご関心をお持ちの方は下記広報連絡先へお問い合わせください。

当社倉庫「ZETTA」
ZETTA内の作品と、IT機器マテリアルの様子 

 

長坂真護さんコメント 

この度は、僕の作品を購入くださり、拠点へ設置いただきとても嬉しいです。心より感謝申 し上げます。その展示下さったアートを見ていただくことで、作品自体がたくさんのメッセージを伝えてくれます。ぜひ多くの方にご覧いただきたいです。 僕の作品にも多く使われるe-wasteはもともと綺麗なIT機器でした。そのITハードウェア事業を展開する貴社からご支援いただけることは非常に大きな意義を持つと感じています。ぜひ共にサステナブル・キャピタリズムを実現していきましょう。

 

長坂真護(ながさかまご) 

1984年生まれ。2017年6月、ガーナのスラム街・アグボグブロシーを訪れ、先進国が捨てた電子機器を燃やすことで生計を立てる人々と出会う。以降、廃棄物で作品を制作し、その売上から生まれた資金で現地にリサイクル工場建設を進めるほか、環境を汚染しない農業やEVなどの事業を展開。経済・文化・環境(社会貢献)の3軸が好循環する新しい資本主義の仕組み「サステナブル・キャピタリズム」を提唱し、スラム街をサステナブルタウンへ変貌させるため、日々精力的に活動を続けている。2022年9月、東京「上野の森美術館」にて自身初となる美術館個展を開催。同年11月、第51回ベストドレッサー賞、学術・文化部門受賞。ガーナに「MAGO MOTORS LTD」を設立し、現在ガーナ人53名が働いている。(2024年3月15日時点)

 

株式会社ゲットイット 

都内2,000㎡倉庫(勝どきZETTA)の豊富な在庫量と、マルチベンダー対応の技術力で、企業の抱えるITの「困った」を解決。サーバー・ネットワーク機器等ITハードウェアの専門家として、レガシーシステム運用に必要なEOSL保守(第三者保守)から、検証環境構築のための機器レンタル、情報機器処分(ITAD)に伴うデータ消去や買取りサービス、コスト削減のリユース販売まで、1社1社のオーダーに応える形で様々なハードウェア関連サービスを提供。株式会社ゲットイットは、持続可能な社会発展へ向けた「SDGs」への関心の高まりを受け、「使えるものは、長く使う」「使い終わったものは、次につなげる」の2点を掲げ、保守による機器の長寿命化や機器のリユース・リサイクルにより、IT ハードウェアの持続可能な運用のための総合サービス「Sustainable Computing ®」 を展開しています。